歯科業界について②

結果として、歯科医療の供給は安定し、社会問題も解決したと思われましたが、供給が需要を遥か上回り始めても歯学部の入学者を減らす措置は行われませんでした。
大学側からすると、入学者の規制は当然その経営を圧迫する事になります。
特に私立大学はその経営があくまで民間である事から顕著で、逆に定員を増やしている学校があるほどです。

国はこの事態に対して、国公立の定員を減らすことも行い、更に私立大学に対しても日本歯科医師会と共に定員減を要請しましたが、前述の経営的理由から実施されることはきわめて稀でした。
定員数は国公立がおよそ500人、私立が約2500人ですが、私立大学は国公立の定員をもっと減らすように主張しています。

既に歯科医師が過剰供給となっている事から廃業に追い込まれる医院も増え始め、以前ほどの人気職種ではなくなっていた為に歯学部の入学希望者は減り始め、定員割れが目立ってきたのです。
国公立大はその授業料などの兼ね合いもあり、未だ定員割れを行う事は稀であり、上記の国公立大医学の定員数減少という私立大学の要望は切実な問題となってきました。

定員割れによって私立大学ではとうとう2010年に受験者全員が合格する大学が出始めるなど需要と供給のバランス崩れは一層激しくなっています。
この全入問題はひいては歯科医師の質的な低下を引き起こし、医療水準を脅かすと懸念されています。

これに対して国策は表面上では公開されているわけではありませんが、歯科医師国家試験の難易度を上げるなどの措置を取っていると言われています。